超実践的Webディレクターの教科書

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「中村健太 田口真行 高瀬康次, 2015, 第一線のプロがホンネで教える 超実践的 Webディレクターの教科書, マイナビ」を読んだ。

書籍目次

  • 第1章 基本スキルのレベルアップ編
    • ディレクターのよくある悩みとバッドエンド回避策
    • クライアントの満足を引き出す、コミュニケーション
    • Webディレクターの実績を可視化する方法
    • ディレクションの適正コストとディレクターのランク
    • デキるWebディレクターに共通する4つのスキル
  • 第2章 フェーズ別ノウハウ編
    • ヒアリング〜コンセプト設計
    • 情報設計と感情設計
    • レイアウト&ワイヤー設計のルールと考え方
    • 失敗しない進行管理とチームビルド
    • クリエイティブチェックとQAタスク
    • リリース後の運用とグロースの考え方
    • コンテンツマーケティングとSEOの基礎
  • 第3章 田口式ディレクション トレーニングメソッド
    • 田口式トレーニングメソッド

第1章はWeb制作におけるプロジェクトマネジメントのあるある話をケーススタディのような形式で取り上げ、そのケースごとの対策を提示している。

第2章は「フェーズ別ノウハウ編」の名の通り、プロジェクト開始からプロジェクト終了までと運用の内容にSEOやグロースハック、コンテンツマーケティングといったキーワードの説明をしている。

第3章はディレクションのスキルを上げるためのトレーニグとしてブレストやファシリテーション、企画、プレゼン力などの項目を挙げている。

Web制作系、と便宜的に呼ぶが、に関するプロジェクトのフローのイメージがつかなかったことや、Web制作系の仕事にはディレクターという役割が出てきて、これがプロジェクトマネージャーとどう違うのだろうか。そんなことを思っていたこともあり、読んでみることにした。

著者の1人の内の中村氏は本書の中でディレクションの領域を定義しており、

  • クリエイティブとエンジニアリングの実務以外の全部がディレクションのフィールド
  • そしてその中は、「設計」「制作」「運用」と、大体3つくらいに分割できる
  • 「制作」が問題なくできることを前提として、「設計」と「運用」領域のディレクションをスキルとして身に付ければ価値を創出できる

と述べていた。

システム開発で挙げられるプロジェクトマネジメントといえば、PMI (Project Manegiment Institute)が出てくるのだが、その団体が発行している「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」、通称PMBOK (Project Management Body Of Knowledge)の中で、プロジェクトマネージャーの役割の役割として「立上げプロセス群」「計画プロセス群」「実行プロセス群」「終結プロセス群」とフローが続き、その全体を「監視・コントロール・プロセス群」でモニタリングするという構成でプロジェクトが説明されている。PMBOKにおけるプロジェクトの定義は

独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有機的な業務

と定義しており、有機的な開始と終了が必ず存在していなければならない。

前述のWeb制作のディレクションの領域中で説明された「設計」「制作」「運用」のフェーズで注目したいのは、Webサイトが出来上がった後の運用もスコープに入っているというところである。PMBOKの定義でいえば、Webサイトを制作すること自体がまずプロジェクトとなり、Webサイトがリリースされ、公開された時点(もしくはその前後)でそのプロジェクトは終了する。そして、その後の運用はまた別のプロジェクトとしてみなされるはずだ。もちろん2つ以上のプロジェクトとしてみなすので、どちらも同じスコープだとは思うが、Webサイトはある意味で永遠のβ版であるので終わることがない。終わることがない、ということはプロジェクトにはならないのではないか。と思ったりもする。

Webサイトの公開が様々な理由で終了することはあるとは思うが、原則としてサービスや情報の公開などは半永久的に続くので、公開後の運用をプロジェクトにするのか、というところは難しいところだろう。

第1章はあるある話なのであまりちゃんと読まず、第2章を中心に読んだ。ユーザーペルソナを定義し、カスタマージャーニー等でタッチポイントを作り、ワイヤーフレームを作りながらコンテンツを作っていく、という一通りのフローを知ることができた。
事前にテンプレートを作っておき、利害関係者と対話しながら埋めていく、というやり方が良さそうに思える。テンプレート自体は汎用性があるので、自分のものとしてカスタマイズして作っていく必要がありそうだ。